シャープ「復活」を託す「IGZO」 超高精細液晶ディスプレー「フルハイビジョンの4倍」

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微弱信号を感知し、爪で触っても画面が反応

   体感的に大きく変わるのが、タッチパネルの感度の高さだ。シャープ担当者は「鉛筆やボールペンの先、爪で軽く触っても反応します」と明かす。その理由も「書き換え」回数にあるそうだ。

   1秒間に画面を60回書き換えている場合、TFTが60回駆動を繰り返し、画面表面にノイズが発生する。一方で、鉛筆の先や爪でタッチパネルを触れる程度だと微弱な信号しか出ない。ノイズが継続的に出ている状態では、弱い信号では判別されにくく、タッチしても反応が鈍くなるのだ。IGZOの場合は書き換えが少なくなることでオンオフが起きない休止状態が長くなる。当然、この間はノイズがほとんど出ないため、爪で触ったような微弱信号でも感知されやすくなるのだ。

   2012年11月29日、初のIGZO搭載スマートフォンがNTTドコモから、また12月7日にはKDDIからタブレット型端末が発売されている。2013年2月発売の32型業務用モニターは、中小型液晶だけでなく比較的大きなサイズでも商品化が可能であることを示している。「パソコン市場を開拓したい」との目的があったようだ。スマホ用は天理工場、タブレット用と32型ディスプレーは亀山第2工場で量産を始めており、需要によってはさらに大型製品への応用も将来考えられる。シャープ浮上の切り札として、IGZOへの期待は高い。

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