衆院選の投開票を2012年12月16日に控え、報道各社による序盤の情勢調査の結果が12月6日、出そろった。新聞・通信6社が朝刊紙面で結果を発表したが、いずれも自民党が単独過半数(241議席)を上回ると分析。「ぶっちぎり」の強さを見せている。一方の民主党は、100議席を割るとの予測が大半で、歴史的大惨敗になる可能性が高くなってきた。
公示前の自民党の議席は120だったが、共同は293議席、朝日は272議席を予測。議席が倍増すると見ている。これは、常任委員会に委員の過半数を確保できる「絶対安定多数」(269議席)を上回る勢いだ。また、09年まで自民党と連立を組んでいた公明党についても、共同は27議席、朝日は31議席を予想。再び連立を組んだ場合「300議席超え」で安定した国会運営が望めそうだ。
当落線上の有力議員続出
一方、公示前には230議席あった民主党は、69議席(共同)、81議席(朝日)と、3文の1以下の大惨敗を喫する見通しだ。
読売新聞の選挙区ごとの分析によると、
「土屋と菅が競り合い」(東京18区、菅直人前首相)
「長島と田中が競り合い、米山が絡む展開」(新潟5区、田中真紀子文科相)
「枝野と牧原が横一線の戦い」(埼玉5区、枝野幸男経産相)
「福山が優位に立っている」(徳島1区、仙谷由人元官房長官)
と、苦戦を強いられる現役閣僚や閣僚経験者も続出している。
第三極では、明暗が分かれそうだ。公示前は11議席だった日本維新の会は、共同は46議席、朝日は49議席を予測。15~18議席の「みんなの党」を大きく上回って、第3党に躍り出る勢いだ。一方、公示前は60議席あった日本未来の党(嘉田由紀子代表)は、共同が15議席、朝日は14議席を予測。規模が縮小する割合で見ると、民主党以上の大惨敗になる見通しだ。
ただし、無党派層など投票先を決めていない有権者も多く、自民党の「圧勝ムード」が広がると、投票日までに態度を変える人も多く出る可能性がある。情勢は流動的だ。