「未来」、公示日に大失態 嘉田・飯田VS小沢の不協和音浮き彫り

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   「前代未聞の大失態」「政党の体をなしていない」――。衆院選比例ブロックの候補者名簿提出をめぐる「日本未来の党」(未来)のドタバタ劇について、新聞各紙は2012年12月5日付朝刊で、半ば呆れながらも紙面を大きく割いて追及した。

   混乱の原因は全国11ブロックの比例順位の調整不足だ。同党の比例名簿は締め切り直前に持ち込まれ、3ブロックについては「名簿提出は締め切り後だった」との疑いも浮上。順位調整に絡むドタバタぶりを通し、党首の嘉田由紀子氏グループと小沢一郎氏グループとの不協和音が浮き彫りになっている。

締め切ったのに「名簿」が見当たらない

   「すべて受理しました」

   未来の比例名簿提出について、総務省側がそう発表したのは12月4日午後10時半。締め切り時間の5時間半後だった。総務省内に設けられた名簿受け付け会場は、本来の締め切り時間の午後5時前後から異様な雰囲気に包まれたという。

   新聞報道によると、午後4時半すぎに未来の近畿ブロックの提出書類に不備が見つかり、未来関係者と総務省側との交渉が進む中、別ブロックの名簿を抱えた未来の関係者が同5時の締め切り直前に相次いで会場に駆け込んできた。ドアが閉まる寸前だった。

   ところが、間もなくして東北、中国、四国ブロックの名簿が見当たらないという事態が発生する。午後5時半すぎ、連絡を受けた森ゆうこ・未来副代表が会場に乗り込んできて関係者と一緒に名簿を探し始めた。森氏らは同6時ころ名簿を見つけて提出したという。

   「締め切り後に森氏らが名簿を持ち込んだのでは」「公選法違反では」。報道陣は総務省側を追及したが、同省選挙課は「受付机の上や下で見つかった。手続き上問題はない」とコメント。未来の関係者が一時は涙ぐみ、頭を抱えるほどの混乱の末、全国11ブロックの審査はなんとか終えたものの、締め切り間際のこうした事態は「異例であり前代未聞」(総務省関係者)という。

   新党結成間もない未来とはいえ、なぜこんな状況を招いてしまったのか。

「私のほうから嘉田代表に確認して(順位付けの)作業を進め、公示日の4日朝には名簿は固まっていたが、飯田(哲也)代表代行から突然、順位付けの方向転換の話がありストップしてしまった。再調整に時間がかかった」。

   比例名簿が受理された後の4日深夜、小沢氏側近の森副代表は記者団にそう明かした。

   朝日新聞などによると、未来の選挙担当は旧「国民の生活が第一」グループが中心となり、比例順位や選挙区などを調整してきた。つまり飯田代表代行は小沢氏主導の順位付けにノーを突きつけ、公示日朝になって名簿の大幅変更を命じたということのようだ。

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