9人が死亡した山梨県の中央自動車道上り車線・笹子トンネル天井板崩落事故で、中日本高速道路が管理する同じ構造の「つり方式天井」トンネル3か所のうち、笹子トンネルに限って「打音検査」を実施していなかったことが2012年12月4日、分かった。
打音検査はハンマーでつり金具のボルト部分を叩いて経年劣化の状況を調べるもので、中日本高速は「笹子は他のトンネルより天井が高いため、目視で済ませていた」と話している。崩落事故はつり金具を固定するボルトの脱落で発生したとみられ、山梨県警は同日、業務上過失致死傷の疑いで、中日本高速の本社などを家宅捜索し、関係書類550点を押収した。