心理テクニックや人間の特性、錯覚を利用し、人の心を読み、行動をコントロールする「メンタリズム」。その技術を操る「メンタリスト」として話題沸騰中のDaiGoさん(26)が、「芸能界をやめたい」という主旨の発言をした。
さらに自身のブログでは、「引退」という言葉も飛び出している。今や飛ぶ鳥を落とす勢いのDaiGoさんに、一体何があったのだろうか。
「拍手の分だけ責め立てられているような気分」
DaiGoさんは2012年11月30日、バラエティー番組「中居正広の金曜日のスマたちへ」(TBS系)に出演した。その中で、DaiGoさんが「パフォーマーとしてのメンタリストDaiGoは僕の目指している姿じゃない」「続けることは難しいし、できることなら辞めたい」という赤裸々なトークを展開した。
DaiGoさんは母の勧めで慶應義塾大学の理工学部に入学し、「研究者になる」という目標を持った。しかし大学2年生でメンタリズムと出会い、3年生の時にメンタリズムパフォーマーとしてテレビ初登場。瞬く間に人気者となり、テレビの仕事がどんどん増えた。それと共に学校を休みがちになり、母からは「学校にはちゃんと行っているのか、勉強のことは忘れないで」などと心配されていたという。
ある日DaiGoさんは自宅で、母が隠していた抗がん剤を見つけてしまう。母が数年前に患った乳がんの再発を家族に黙っていたらしい。そんな中でもテレビの仕事は増える一方で、DaiGoさんは「研究者になると約束していたのに自分はパフォーマンスをしていて、後戻りできないような所まで来てしまった」「ワーって拍手されるけど拍手が怖い時も結構ある。拍手の分だけ責め立てられているような気分になったりすることもある」と「後ろめたさ」を感じたことを明かした。
DaiGoさんは母に「テレビの仕事は辞めて、医学部に編入しようと思ってる」と再び研究者を志すことを伝えた。しかし12年4月、母が他界してしまう。研究者としての姿を母に見せられなかったDaiGoさんは、「顔向けできないですよね」と涙ながらに話していた。
「引退しないで!」「辞めてほしくないですっ」というファンも
放送翌日の12月1日、DaiGoさんは自身のブログで改めて「引退を考えている」という意向を示した。この記事には12月4日現在600件を超えるコメントが寄せられている。「まだまだTVでいろんなパフォーマンスを見たいです。なのでお願いします!引退しないでくださぁーい!」「辞めてほしくないですっ これからも私たちにメンタリズムを見せてください」と「引退しないで」という意見、「私は引退してもいいと思います。少しでもなりたい夢があるなら夢に挑戦するべきだと思います」「周りがやって欲しいからではなく自分がやりたいからが正解ですからね」と「DaiGoさんの決断を支持する」という意見、「医者になってからも、メディアに出てもいいじゃないですか。待っています」「コミュニケーション学問としての専門家、評論家としてメディアで今後ご活躍されるのはいかがですか?」という提案などファンの考えはさまざまだ。
「引退」を考えた具体的な理由やその時期について聞くためDaiGoさんにコンタクトを取ってみたところ、本人が取材に応じてくれた。
DaiGoさんは元々人間の心に興味があり、それに関わる研究をしたいと考えていた。その過程で「メンタリズム」の魅力を知り、それを広く知ってもらおうとメンタリストの活動を始めた。最初から長くパフォーマーを続けるつもりはなかったそうだ。これからは「メンタリズム」をビジネスや人間関係、恋愛や日常生活に活かせるような心理術として提案するために、講演や企業研修などの活動を主にしていきたいという。
具体的な引退時期は決まっていないが、「近い将来に、その時は訪れるでしょう」とのことだ。今後の活動、引退時期などについては、決まり次第公式サイトやツイッターで告知するという。