エレベーター事故がとまらない 安全を担保する「お墨付き」ないのか

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   エレベーターのトラブルが頻発している。最近は、人が乗らない小荷物運搬用や、工場に設置された業務用のエレベーターでの事故が報告された。

   扉が開いたのに床がない、ストップしていたのに作業中突然動き出した――。予期せぬ事態で事故に巻き込まれる人が続出しており、原因究明が急がれる。

福島の小学校でも女性教諭が転落事故

   痛ましいエレベーター事故が、またしても起きてしまった。複数の報道によると2012年12月2日、愛知県名古屋市の飲食店で、料理を運ぶための小型昇降機の内部を女性従業員が清掃していたところ、突然上に動き出し、女性は扉とエレベーターの床に挟まれて死亡したという。エレベーターのサイズは縦70センチ、幅80センチで、扉が上下に開くタイプ。人の乗降は想定されていない。

   翌12月3日には兵庫県姫路市にある工場で、高さ約1.7メートル、幅約1.5メートル、奥行き約2メートルの荷物運搬用エレベーターに男性が挟まれた。荷物を搬入していた際、台車の車止めの角材がエレベーターのかごと建物の2階の床に挟まってエレベーターが動かなくなった。この男性が角材を取り除こうと調べている最中に突然動き出し、かごの天井部分と床に上半身を挟まれたのだという。病院に運ばれたが、その後亡くなった。

   いずれも警察が調査中で、現段階では詳しい原因が特定されていない。ただ名古屋のケースのように、エレベーターが停止した状態で中を掃除するのは特段変わった行為とは思えず、むしろ扉が開いていたのに突如動き出したことで安全装置は作動しなかったのかという疑問もわく。

   11月27日には福島県国見町の小学校で、女性教諭が3階から業務用エレベーターを使って台車を載せようとしたところ、扉が開いたにもかかわらずかごが来ていなかったため、勢い余って台車ごと落下し、けがを負った。1階で別の作業が行われていて、かごもそこにあった。この場合、通常であれば安全装置が働いて3階の扉は開かないはずといい、不具合があった可能性がある。

   エレベーター運転中にトラブルが起きたのなら、保守契約を結んでいる業者を呼んで修理を依頼すればよい。だがこれら3つの事故は、「とまっているはずが突如動いた」「あるはずのかごがなかった」と予測不可能な状態で起きているだけに、対応が難しい。

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