中央道・笹子トンネルの崩落事故をうけ、付近の区間では上下線で通行止めが続く。上り線については復旧の見通しがまったく立たず、一般道に降りるか、それとも迂回路を行くか、お正月の帰省組が頭を抱える事態となっている。
迂回ルートは、日本道路交通情報センターや中日本高速道路が案内しているが、ネット上には不安を訴える声が多い。
「東名がすごいことになりそう・・・」
2012年12月2日に発生した山梨県中央自動車道上り線笹子トンネルの崩落事故にともない、事故付近の区間が上下線共に通行止めになった。下り線(大月JCT~勝沼IC)については復旧までに早くても6日から7日かかる見通しだが、上り線(一宮御坂IC~大月JCT)については復旧の見通しはまったく立っていない。年の瀬も迫る12月頭の通行止めに、頭を抱えているのが、中央道を使ってお正月に帰省する予定の人たちだ。
仮に下り線まで復旧が間に合わなかった場合、「帰省できるか心配」「お正月の長野方面帰省は東名からの大迂回になるのかな。関東→中部の中央道勢も東名に回るから、東名がすごいことになりそう・・・」などといった不安がネット上で少なからず広がっている。
どのような迂回路が考えられるのだろうか。日本道路交通情報センターによると、
「考えられるのは、大月ICで下道に降り、並行する国道20号線を走るか、国道139号線137号線と迂回するルート。ただ、139号線と137号線は山道のため、この季節は時間により路面凍結の恐れがあり、スタッドレスタイヤをはいていなければチェーンを巻かないと通行できない」
ということだ。
国道20号線に降りた場合の現在の所要時間については、中日本高速道路(NEXCO中日本)は「大月から一宮御坂ICまで通常は10分程度だが、下道(国道20号線)は現在かなり徐行しており、1時間から1時間半ほどはかかる」と説明する。
なお、京王バスの中央高速を使う路線は、国道20号線を迂回路として使用、12月2日の中央高速バスの遅延は最大で85分、平均で60分だったと公表した。また、山梨県発着の荷物について中央高速を使用するヤマト運輸も同様の対応を取り、今のところ大きな影響は出ていないそうだ。
また、NEXCO中日本は「大月ジャンクションから河口湖方面へ向かい、137号線で北上する、あるいは東名高速へ抜けることも出来る」という。
すでに東名へ抜けている車も多いと推測されるが、この影響については、
「接続すると見られる御殿場インターチェンジ付近では、現在(3日13時)通行止めの影響による混雑は見られない」(NEXCO 中日本)。
年末年始の対応については、復旧が未定のため調整中とのことで、詳しい話は聞けなかった。
ネットでは不適切な迂回路も拡散
ネット上でも事故当日から、さまざまな迂回ルートの情報が飛び交っていた。なかには、適切でないものもある。たとえば以下のようなものだ。
「雁坂トンネル経由(北関東方面)、大菩薩峠(東京方面)、ヤビツ峠(神奈川方面※ただし普通車のみ)などへの迂回推奨です」
この投稿は、ツイッターで迂回路に関してもっとも多くリツイートされたと見られる。もちろん善意からのものなのだが、「ヤビツ峠」をよく知る複数の人たちがこう注意を呼びかけている。
「ヤビツ峠への入り口と言ってもいい所に住んでて、毎日そこをいろんな乗り物で走ってた僕が言うんだから間違いない。笹子トンネルの迂回路のつもりで普通の人が使うべき道じゃない。ガンガン事故が起きるわ。先日も行ったけど、自転車の人を跳ねたりすることになると思うよ」
「あそこは車のスレ違いで卒倒しそうなレベル。寿命が縮まるレベル。場合によっては長距離バックをする可能性あります。なのに交通量が多い。絶対おすすめしません」
「ちなみにいまのヤビツ峠は積雪してますよ 」