【Net@総選挙】 第11回
ネット解禁で若者は投票に行くのか 日本の政治、近未来を探る

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   「ネット選挙」が解禁されると、若者の投票率があがり、選挙結果が変わる――そんな見立てがある。日本の若者の情報源としてネットが主要なものになってきたうえ、海外の選挙ではネットを活用したキャンペーンで、若者の投票率が上がった例があるからだ。

   実際に日本でも「ネット選挙」が解禁された場合、そうした劇的な効果があらわれるのだろうか。「Net@総選挙」の最終回は、そんな仮説について専門家の見解を聞いた。

高まる若者のネット利用率、海外ではネットで選挙に勝利の事例も

   日本の若い世代は最近、新聞を読んだりテレビを見たりしなくなった代わりに、ネットを積極的に利用して情報を得ている。そのことは、さまざまな調査結果から明らかだ。

   文化庁の「情報化時代の言語生活―国語に関する世論調査<平成20年度>」によると、2001年から2008年にかけて、「必要な情報を何から得るか」という質問に対し、テレビ、新聞、雑誌の割合が減る一方で、若年層を中心にネットは大幅に増加した。また、NHK放送文化研究所の「日本人とテレビ・2010調査」においても、「欠かせないメディア」は16から29歳までに限定すると、テレビとネットが拮抗しつつある。

   フェイスブック、ツイッターなどのソーシャルメディアの利用も活発だ。総務省の「平成23年版 情報通信白書」によると、20代の約64%、30代の約48.3%が1つ以上利用している。

   政党や政治家など、情報を発信する側にとってもネットは便利なツールになりつつある。安倍晋三自民党総裁のフェイスブックページや、橋下徹大阪市長(日本維新の会代表)のツイッターの活用についてはこの「Net@総選挙」でもたびたび取りあげてきた。

   ネットでの政治活動の進む海外に目を移すと、韓国では、2002年ごろからネットを用いた草の根の選挙活動がさかんにおこなわれ、その年の大統領選挙で20代、30代の投票率が上昇。地盤のなかった故・盧武鉉氏を大統領に押し上げたと言われる。

   また、ネット選挙が大々的におこなわれるアメリカでは2008年の大統領選でオバマ大統領のネットキャンペーンが功を奏し、若年投票率が大幅に上昇した。

   こうしたことを受けて、日本でも「ネット選挙」が解禁されると、若者の投票率があがったり、選挙結果が変わったりするのではないか、との期待がある。一部では、ここ2回の衆院選で若者の投票率が以前より上がり、50%弱にまでなったことをネット利用と結び付ける見方もある。

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