「中国敬遠」で欧米ツアーが絶好調 JTBは業績を上方修正

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「中国頼み」の見直しも

   一方、円高などを背景に日本人の海外旅行は活況だ。日本旅行業協会が先月まとめた10月のパッケージツアーの予約状況によると、中国ツアーは前年同期比約7割減に落ち込んでいるのに対し、米国・カナダは約1.5倍に、ハワイは約2割増、グアム・サイパンは約4割増に上る。

   旅行大手JTBでも欧米ツアーは特に好調といい、今年度下半期の訪中旅行者は前年同期比7~6割減と見るものの、欧米向け旅行者は約25%増、ハワイ向けは約23%増などと見込む。この結果、2013年3月期連結営業利益予想については当初見通しの57億円から158億円に上方修正した。

   別の旅行会社も「中国旅行をやめる人が増えても、他の国などに行き先を変更するだけなので、旅行需要自体は減っていない。逆に欧米ツアーが好調なので業績も上がっている」とする。

   国別の訪日旅行者数は、韓国、中国、台湾がベストスリー。全体の約6割を占める。かなりの差で米国や香港が続き、その他とは桁違いの大差があるのが現状だが、井手長官は、中国からの訪日旅行者の減少に絡み、「南アジアやASEAN(東南アジア諸国連合)など中国以外の国に今まで以上の力を入れたい」と述べた。  日本人旅行者の「中国離れ」、中国人の訪日旅行者の急減が進む中、日本の観光政策も「中国頼み」からの脱却を探ることになりそうだ。

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