就活期間の短縮化が大企業には有利に働く
学生の目がようやく中小企業にも向けられるようになったとはいえ、大企業が就活のキャスティングボートを握る形は変わらないらしい。
それは就職活動の解禁日を2か月遅らせたことが影響しているようだ。前出の石渡氏は、こう言う。
「内定をもらえる学生とそうでない学生の2極化がより鮮明になり、優秀な人材確保という面では大企業に有利に働いたからですよ」
就活期間が短縮化されたことで、学生の業界研究や企業研究が不足しているとされたが、石渡氏は「就職への意識の高い学生は解禁日前から準備をしていますし、企業側も大学OBとの懇親会などの名目で学生と接触していました」と指摘する。
ただ、内定率は2008年のリーマン・ショック以前の水準には戻っておらず、大企業を目指す学生にとって厳しい状況には変わりない。
「この流れに対応できなかった学生は就活を途中であきらめてしまったり、留年を決めたり進学に切り替えたりしています」(石渡氏)