ツイッター分析の結果をフィードバック
一方、米国の大統領選とはスケールが大きく異なるものの、日本でもネット上のデータ分析による選挙コンサルティングの動きが活発化しつつある。
ソーシャルメディアの分析などを手掛ける「ホットリンク」(本社・東京)は2970万ものブログやツイッターの投稿データをもとに、独自の手法で政党支持率の変化や、政治家の好感度のアップダウンを数値化している。公の場での発言や活動に対し、ネットユーザーは何を感じてどう書き込んだのか、ユーザーが高い関心を示す政策は何かを分析して政治活動にフィードバックしてもらう。
ホットリンクのツイッター、ブログ分析には定評があり、12年6月の「AKB選抜総選挙」予測では選抜メンバーの上位16人中15人を的中させている。
同社はまた10月末から、ネット広告コンサルティングの「ルグラン」(東京)と共同で「永田町インデックス」というサイトを運営。ブログ分析の手法の一端を日々公開し、解散日以降はアクセス数も増加した。政治家サイドからのニーズも高まっており、ネット選挙が解禁されれば今以上の需要の広がりが予想される。
米国の先の大統領選挙では、オバマ選対は大量の人とカネ員をツイッターやブログ分析につぎ込んで次回討論でロムニーをどう攻めるかの参考資料にしたという。ネット選挙が解禁されれば、そうしたプロによる分析能力や選挙マーケティングが、従来型の選挙戦とは全く異なった形で必要とされ、ノウハウに関心が集まることだろう。
新たな「選挙ビジネス」の専門家が生まれ、ネットを使った集票戦略が国内選挙を左右する日は、日本でも遠い先ではないようだ。