「山崎」「白州」「竹鶴」… 国産ウイスキー、「本場」欧州で人気高まる

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   国産ウイスキーが、本場の欧州で売れている。財務省の貿易統計によると、2012年1~9月期の国産ウイスキーの輸出金額は18億7316万円で、11年の年間実績を上回ることが確実視されている。

   なかでもフランスや英国などの欧州向けが好調で、これまで輸出先の主力だった台湾を上回った。

すでに11年実績を上回る勢い

サントリーの「山崎18年」と「白州25年」は「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 2012」で最高賞を受賞した
サントリーの「山崎18年」と「白州25年」は「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 2012」で最高賞を受賞した

   国産ウイスキーの輸出金額は、2011年に19億8371万円と5年前に比べて85%増えた。12年は昨年を上回ることは確実で、20億円台に乗ることもほぼ間違いないとみられる。

   主な輸出先としては、フランス(4億9749万円)、英国(3億1278万円)、台湾(3億948万円)、ラトビア(1億6567万円)、米国(1億3272万円)、シンガポール(1億1104万円)、ロシア(1億849万円)、中国(1億452万円)で、12年9月までに輸出金額が1億円を超えている。

   06年には台湾向けが輸出額の58.9%を占めていたがここ数年は欧州で人気が高まり、11年にはフランス向けが24.7%に拡大し、台湾の24.6%を上回った。英国向けも06年の4.3%から11年は13.8%に拡大。この9月時点では台湾を上回っている。

   また、今年に入って急増しているのがラトビア。すでに前年比で2.4倍も伸びている。

   サントリー・ホールディングスによると、欧州への輸出は年間目標で2割増。12年1~6月期の実績で1割強の増加という。主にフランスと英国、ロシア、インド、米国向けに、「山崎」や「白州」といった高級ウイスキーを輸出している。

   同社は「台湾向けにはハイボール需要に応じて『角瓶』などのスタンダードな商品を中心に、欧州向けは引き続き高級ウイスキーに力を入れていきます」と話す。

「ジャパニーズ・ウイスキー」本場の品評会で最高賞受賞

   ウイスキーの「本場」である欧州向け輸出が増えた背景には、「山崎」や「白州」「竹鶴」といった、おなじみの銘柄が高い評価を得ているため。欧州で開かれたウイスキーの品評会で相次いで最高ランクの賞を獲得している。

   2012年3月に英ロンドンで開かれた「ワールド・ウイスキー・アワード 2012」では、7つのカテゴリーのうち、日本の「山崎25年」(サントリー酒類)と「竹鶴ピュアモルト17年」(ニッカウヰスキー)が、世界最高峰の座を勝ち取った。

   ブランドとしては、「山崎」は2年連続受賞(11年は「山崎1984」が受賞)、「竹鶴ピュアモルト」は4年連続受賞(過去3回は「竹鶴ピュアモルト21年」が受賞)している。

   2012年はフランスやベルギー、スコットランド、オーストラリア、インド、南アフリカなど、世界各国・地域から300を超えるエントリーがあった。その強豪ひしめく中からの受賞で、日本のウイスキーの品質の高さをますます印象づけた。

   さらにサントリー酒類は世界的な酒類コンペティションである「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 2012」で、「山崎18年」と「白州25年」がウイスキー部門の最高賞を受賞したと、11月6日に発表。ウイスキー部門で同じメーカーの2品が最高賞を同時受賞するのは初めてという。

   サントリーは、「日本のウイスキーのよさは、多彩な原酒をブレンドすることで、飲みやすい、日本らしい繊細さがあります。個性のあるスコッチウイスキーとは異なる、ジャパニーズ・ウイスキーの味わいが評価され、受け入れられているのだと思います」と話している。

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