住宅販売の現場は消費増税が「切り札」になる
では、肝心の「駆け込み需要」はどの程度あるのだろう――。みずほ証券の石澤卓志氏は「住宅メーカーは冷静ですよ」という。住宅メーカーなどは、現状の景気悪化と消費増税が段階的なこともあって、「駆け込み需要はそれほどない」とみている。
土地総合研究所が11月22日に発表した「不動産業業況等調査」(10月1日時点)によると、モデルルームの来場者数は前回調査(7月1日、マイナス33.3)から25.9ポイントと大きく改善してマイナス7.4となったが、成約件数は1.3ポイント悪化してマイナス5.2だった。
石澤氏は「消費者は、価格は『今が底』という意識が強いですし、駆け込みを狙う人が増えてきていることは確かです」と話す。
一方、住宅販売の現場は「駆け込み需要」に期待する。住宅メーカーは景気悪化と駆け込み需要の反動を懸念して供給に及び腰だが、「販売現場は消費増税を『切り札』にしたいという意識が強い」(石澤氏)とし、駆け込み需要を煽って消費者の購入意欲をかき立てたいようだ。