「パワー・ツイッタリアン」は大半が左派
この市長選では、ネット上の動きが投票行動を大きく左右したといわれている。韓国では、学者や芸能人など、ツイッター上で発言力が強い人を「パワー・ツイッタリアン」と呼んでいる。日本で言う「アルファブロガー」に近い存在だが、その大半が、いわゆる「革新系」「左派」だとされる。
選挙は朴元淳(パク・ウォンスン)候補と羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)候補の一騎打ちになったが、朴候補が「市民派」を標榜していたことから、「パワー・ツイッタリアン」の大半が朴候補を支持。とくに選挙戦の最終盤になって、ネット世代に人気のある安哲秀氏が朴候補支持を表明したことから、若年層は朴候補になびいたとの分析がある。ただし、ツイッター利用者の7割がソウル周辺在住で、農村部への影響については疑問の声もある。
だが、この市長選の際は、まだ「足かせ」があった。韓国の公職選挙法では、当時は一部を除いてネット利用が基本的に規制されていたからだ。だが、憲法裁判所は11年12月、この規定を違憲だとする判決を下し、12年2月には公職選挙法が改正され、インターネット、電子メール、SNSを利用した選挙運動が常時可能になった。候補者はいつでもこうしたツールを使って有権者に働きかけることができるようになり、国政レベル選挙では12年4月の国会議員選挙から、本格的な「ネット選挙解禁」となった。