東京電力の電気料金値上げや原発再稼動に抗議する「電気代不払いプロジェクト」が一部の消費者の間で広まっているようだ。
電気料金を1円だけ支払わないことで消費者の意思を示し、東電の経費を増大させ、物理的にも抗議をおこなうというものだ。
もっとも「経費増えた分だけ値上げされて自分達の首締めるだけ」などと非難轟々だ。
自動引き落としから振込用紙に変更して実行
電気料金を不払いすることによって東京電力に対して抗議する「電気代不払いプロジェクト」が一部の消費者の間で進められているという。具体的な活動は、電気代の支払いを銀行口座自動引き落としから振込用紙に変更し、請求額より1円だけ少なく振り込む。その際に、通信欄に「原発の再稼動に反対する」「今回の電気料金の値上げには納得できない」などと不払いの理由を書き込むことで、利用者の意思を伝えるそうだ。
なぜ1円かと言うと、通常、料金を延滞すると利息がつくが、1円では利息がほとんどないからだ。不払いによって東電の売掛金や負担する振込み手数料、督促・集金にかかる人件費等経費を増大させ、物理的な抗議として働きかけることもできるという理屈もある。
この試みに対して、ネットで大きな反響が起こっている。
「なかなか面白いプロジェクトだなあ。東電とNHKに対して実行したいね」
「彼らに続け!」
と応援する声もある一方で、非難の声もかなり目立つ。
「使ってるのに?!抗議するなら電気使わないにすればいいのに」
「これで世の中よくなると思っているなんて神経を疑う」
「東電の余計な費用負担→経営悪化→値上げ→値上げが嫌なら原発再稼働! ってなって自分達の首絞るだけじゃないのかなー」
「『俺、抗議活動やってるんだ』とか言いながら、自分たちは延滞利息を取られないように小細工するってどうよ?」
「お分かりいただけただろうか…そう、泥棒である」
「不買には意思表示としての意味が少ないと考えます」
同プロジェクトの公式ホームページ「なくそう原発、不払いしよう電気料金!」では、不買しろという声に対し、「一部の人が抗議の意思表示のために「不買」しても、「抗議のために使われなかった電力量」はカウントできません。この点で、不買には意思表示としての意味が少ないと考えます」と反論している。
ところで実際のところ、プロジェクトによる「抗議」で東電になんらかの影響はあるのだろうか。2012年11月30日、J-CASTが東電に取材すると、
「抗議の機会として、意図的に電気料金を1円不払いもしくは過払いしている人達がいることは把握している。そうした行動によって、追加的な費用が生じているとも認識している。ただ、個別の費用については、具体的な数字では回答できない」
と回答した。その上で、「電気料金は1月分全額を過不足無く支払って欲しい」と話していた。
(12月1日追記)