シャープ独自の「プラズマクラスターイオン技術」を搭載した電気掃除機の広告が「過大表示」にあたるとして、消費者庁は2012年11月28日、同社に再発防止を命令した。
経営再建中のシャープは、白物家電での生き残りを目指しているところ。「プラズマクラスターイオン技術」による除菌や消臭効果が消費者の支持を集めていただけに、イメージダウンになりそうだ。
「ダニのふんや死がいの除去」は「誤解招く」表記
シャープが指摘を受けたのは、2010年から販売しているサイクロン式掃除機「プラズマクラスター掃除機」シリーズの広告やカタログ、自社ホームページの表現。
対象となった掃除機には、空気の排出口付近に独自の「プラズマクラスターイオン」を放出する機能を備えている。カタログなどではこの機能を、「掃除機内部で浄化したクリーン排気にのせて高濃度7000『プラズマクラスター』を室内に放出。床と一緒にお部屋の空気まできれいにします」や、「ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質のタンパク質を分解・除去する効果があります」などと記載していた。
こうした広告表示について、消費者庁は「これらの掃除機は、その排気口付近から放出されるイオンによって掃除機を使用した室内の空気中に浮遊するダニ由来のアレルギーの原因となる物質を、アレルギーの原因とならない物質に分解または除去する性能を有するものではなかった」との理由で、カタログなどの表示が景品表示法に違反する行為(優良誤認表示)にあたると認定。消費者に誤解を与える表記とした。
これを受けて、シャープは自社のホームページに「お詫びとお知らせ」を掲載。指摘された広告表示については10月末までに修正済みで、今後すべての広告表示について法令遵守を再徹底するとともに、社内のチェック体制を強化して再発防止に努めるとしている。
同社は、「消費者庁からの指摘後、利用者から使っている掃除機が該当するかなど、問い合わせが数件ほどありました」と話している。