藤岡一郎学長に聞く
「ミツバチ」で具現化する「むすびわざ」の力 建学の精神に立ち戻る京都産業大学

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   1965年に「産学協同」を掲げて創立した京都産業大学が、3年後に迎える創立50周年を前に、新たな「プロジェクト」を始動させた。

   名称は「むすびわざDNAプロジェクト」。中にはミツバチプロジェクトというユニークなものもある。何を目指した、どんな取り組みなのか、藤岡一郎学長に聞いた。

建学の精神に立ち返る

京都産業大学の藤岡一郎学長
京都産業大学の藤岡一郎学長

―― 「産学協同」という建学の精神は異色でした。

藤岡学長 「産学協同」というのは企業と大学が協同して事業を行うことです。創立当時は高度経済成長期で、大学紛争の時代。今では考えられませんが、大学は「聖域」といった風潮がありました。大学のあり方が問われる中で、「産学協同」は大変物議を呼びました。これを言い出した学祖(初代学長・荒木俊馬氏)の先見性がいかに優れていたのかを示すものです。

―― 学長ご自身は「学業」と「産業」を、どのように結び付けているのでしょうか。

藤岡学長 「産業」という言葉のもつ意味が、単なる「industry」ではない。そのことを、もう一度考えました。モノ、コト、ヒト、とあらゆるものの結びつきを純粋に融合できるのは大学だけではないか。その「結びつき」を学ぶことが本当の教育の質の高さになると考えたのです。

―― 建学の精神の中に、「革新」が内包されていた、と。

藤岡学長 そう思っています。

―― 2015年の創立50周年を前に、「むすびわざDNAプロジェクト」を始動させたそうですね。「むすびわざ」とは聞きなれない言葉です。

藤岡学長 「産業」の「産」は生む、生まれるの意味。「むす」はその古語です。それと「わざ」を結合させることで、新たな「価値」が生まれることを意味します。当大学では「産業」を「むすびわざ」と読んでいますが、それは「innovation(イノベーション)」とも言い換えられるでしょう。

―― 建学の精神に立ち返る必要があったのはなぜでしょう。

藤岡学長 学生たちが大きく変わったからです。バブル崩壊の影響は実に大きかった。それ以降、学生たちは迷いの中にありました。先が見通せず不安になり、それによって積極性が失われたように感じます。

―― 50周年に向けて、失ったものを取り戻そうとした、と。

藤岡学長 そういう気持ちはありますね。
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