中国新パスポートの地図で物議 インド、ベトナムがビザで「対抗措置」

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   中国が新たに発行を始めたICパスポートが、周辺諸国と火種になっている。パスポートに印刷された地図では、他国と領有権を争っている地域についても中国領であるかのように描かれているからだ。周辺諸国は反発を強めており、ベトナムのように「ビザのスタンプをパスポートに押さない」といった対抗措置を始めている国もある。

地図に尖閣諸島は確認できず

   新パスポートの発行が始まったのは2012年5月だが、ここ数週間、パスポートのデザインをめぐって波紋が広がっている。南沙諸島(スプラトリー諸島)をはじめとする南シナ海の島々はフィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、台湾が領有権を主張している。ところが、新しいパスポートでは、これらの島々が全て中国領であるかのように描かれているのだ。なお、パスポートの地図では、沖縄県の尖閣諸島など東シナ海の島々は確認できない。

   ベトナムは、地図のデザインの撤回を中国に求めるともに、パスポートにベトナムのビザのスタンプを押すことをやめる運用を始めた。ベトナム国内で「ビザのスタンプを押すことは、中国の領有権を認めることになる」という指摘が出ていたためだ。

   ただし、中国はベトナムにとって最大の貿易相手国で、中国からベトナムへの観光客も増加を続けていることもあり、強硬姿勢に出るのが難しい。そのため、ビザはパスポート以外の別の紙にスタンプを押すという対応をしている。

   フィリピンも、在マニラの中国大使館に抗議している。フィリピンは、現時点では特段の対抗措置は行っていないが、外務省は11月26日の時点で「違った方法を検討している」と、近いうちに何らかの措置を行う可能性を示唆している。

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