衆院総選挙を3週間後に控え、議席予測が相次いで週刊誌や夕刊紙上で行われている。どの予想でも、現時点では7議席しか持たない日本維新の会が40~60程度に大きく議席を伸ばすとみられている。118議席を持つ自民党も、ほぼ倍増。233議席ある民主党は、100を切るとの見方が大半だ。
「現職閣僚がことごとく落選の危機」
2012年11月16日の解散前後で議席予測を行ったのは、週刊朝日、週刊文春、夕刊フジなど。いすれも民主党は壊滅状態になるとの見立てで、
「現職閣僚がことごとく落選の危機」(週刊朝日12年11月30日号)
との指摘もある。具体的には、城島光力財務相(神奈川10区)、田中真紀子文科相(新潟5区)が「かなり危ない」と指摘されている。
また、自民党については220~253議席、公明党は26~議席を予想。過半数は241議席なので、いずれのケースでも自民・公明が連立すれば、衆院に限れば安定した国会運営ができそうだ。
では、「第3極」はどうか。維新の会が大躍進するとみているのが、週刊現代の12月8日号。「119議席で第2党へ躍進」という見出しをつけた。記事では、政党ごとの議席を予測した表はついていないものの、維新の会が候補者を擁立している選挙区の顔ぶれを紹介。25選挙区について「他党候補に比べ優位、もしくは優位になる可能性がある」とした。
だが、他誌の予測では46~66議席といったところ。週刊文春11月29日号では
「第三極は、そのような(自民、民主、公明のような)底堅い支持者を元々持っていない上に、突然の解散で準備が遅れているのが痛い」
と解説。維新の会の勢いは今がピークで、(1)野合批判(2)「太陽の党」との合流でフレッシュさがなくなった、といった理由で、今後は支持を失っていくとみている。
「ヒトケタ政党」輩出の可能性
小沢一郎氏の「国民の生活が第一」は解散時の議席が45だが、33~10議席と大幅に減らす見通し。その他の政党は、一桁台前半の議席数で推移する模様だ。
なお、民主党については、やや復調するとの見方もある。政治評論家の森田実氏は、週刊朝日の11月30日号では75議席と予測していたが、12月7日号では93議席に大幅に上方修正している。森田氏は、背景を
「民主の支持基盤である連合が、選挙戦に向けて士気を高めています」
と説明している。
ちなみにこれら週刊誌類の予測は、複数の政治評論家や編集部の「読み」によるもので、選挙区ごとの厳密な有権者アンケート調査に基づくものではない。今回は公示直前まで政党の組み合わせでもめており、今後の各党の選挙運動次第でさらに事態が大きく動くこともありそうだ。
全国紙ではまだ議席予測まで踏み込んだところはない。いまのところ「支持政党」をめぐる世論調査が中心だ。朝日新聞が11月24日から25日にかけて行った電話世論調査によると、比例区の投票先として自民を挙げた人が23%いたのに対して、民主は13%。維新は9%だった。前回11月17~18日の調査では自民22%、民主15%、維新6%だったことを踏まえると、「自民微増、民主微減、維新堅調」といったところだ。