「聖域なき大改革」
両社の合併は、日立グループとしては近年の再編の第2弾となる。
日立製作所はリーマン・ショックの影響もあって2009年3月期に製造業として過去最悪となる7873億円の最終赤字に陥った。これを機に重複事業の整理統合などの経営改革に着手し、2010年には日立マクセルなど上場子会社5社を完全子会社化し一体化した。
事情を知らない人から見れば「何だそれ?」となるかも知れないが、日立製作所第3代社長の駒井健一郎氏が経営原則に「自主独創」を掲げたように、日立は伝統的に子会社の独立性を重んじており、劇的な方向転換だった。今回はさらに一歩進めて「御三家」と呼ばれる中核の3社のうちの2社が合併するのだから、関係者からすれば「聖域なき改革」(日立製作所幹部)と映る。
それもこれも、日本を代表する電機メーカーグループでさえ、背水の陣を敷かざるを得ないことを示している。新興国攻略は中韓メーカーも注力しており、時間との戦いだ。