覚醒剤取締法違反(使用・所持)の罪で懲役1年6か月(執行猶予3年)の有罪判決を受けていた女優の酒井法子さん(41)が執行猶予期間が明けた直後の2012年11月24日に記者会見し、芸能活動への復帰を正式に表明した。復帰作は、主演舞台「碧空の狂詩曲~お市の方外伝~」。
新たな所属事務所では、映画や歌などの仕事の話は「色々いただいている」としており、舞台以外にも活躍の場を広げたい考えだが、テレビ情報番組やネット上では、復帰に対する厳しい声も相次いでいる。
会見では「感謝でいっぱい」繰り返す
会見は1時間以上にわたって行われ、芸能界復帰にあたって「感謝でいっぱい」と神妙な表情で繰り返した。ただ、会見終盤に記者から
「今の率直な気持ちを『のりピー語』で表すと?」
と聞かれると、「え、いいんですか」と戸惑いながらも、
「『マンモスうれぴー』です。今日という日を迎えられて」
と笑顔を見せた。
その会見翌日の11月25日、テレビ番組やネットの反応は、酒井さん復帰に対し、歓迎一色というわけにはいかなかった。
例えば、ヤフーが「芸能界復帰の酒井法子、活躍できる?」というテーマで行っているアンケートでは、11月25日14時半時点で約4万8000票が集まっており、その結果は「とても活躍できる」5%、「ある程度活躍できる」17%、「あまり活躍できない」30%、「まったく活躍できない」46%。4分の3以上が、悲観的な見方をしている。コメント欄でも、
「今は話題性で芸能関係者が群がっているだけで、いずれは沈静化するだろう。それにしても毎度思うが芸能界の悪事を行った人間に対しての甘さには腹が立つ」といった冷ややかな声が目立つ。
「彼女はこれしか生きる道がないんだから」とエールも
また、TBS系の「サンデー・ジャポン」では、医師の西川史子さんが、
「(保釈直後の)最初の会見の時の方が、きれいでしたよね。今よりも」
「なんか、普通になっちゃった。あんまり攻撃する気もなくなっちゃった」
と切り捨てたのに始まり、元裁判官で弁護士の八代英輝さんは、
「メディア関係者と警察官、教師というのは、普通の人が報じられないような微罪でも報じられる。それは、その職業に対する責任と、世間からの信頼が非常に大きいから。酒井さんは、(捜査から)逃げていましたよね?裁判の前には、介護の仕事に就くって言っていましたよね。そういう風にして言を左右して刑を軽くしてもらって、最終的に芸能界に戻りやすいから戻ってくる、みたいなことだと…」
と、芸能人という職業の社会的責任の重さを強調しながら、介護の勉強を放棄する形で芸能界復帰を決めたことを批判した。
一方、テリー伊藤さんは
「彼女はこれしか生きる道がないんだから、頑張ってもらいたい」
と、酒井さんにエールを送っていた。
芸能人に対する激しい批判をすることも多い和田アキ子さんも、批判を避けた。「アッコにおまかせ!」の中で、和田さんは
「(復帰は)舞台からやんないと…。見に行きたい人がお金を出して見ればいいので、テレビとかだとスポンサーの関係もあるし…大変だと思いますよ。舞台終わったら映画とかね」
と、酒井さんの今後の厳しさをおもんぱかりながら、
「出てきてここで仕事されたのはいいから、これから彼女がどうするか。自分自身で。それから頑張ればいいことだから、ちょっと、今は何とも言えないんじゃないですか?」
と述べた。