「森にいそう」なファッションの「森ガール」、おしゃれに山登りを楽しむ「山ガール」に続き、「動ガール(どうがーる)」なる言葉が生まれている。
インターネットに動画を投稿する女性のことで、それだけで生計を立てている人もいるらしい。この「動ガール」、いったい何者なのだろうか。
YouTubeで100万回近く再生されている動画も
「動ガール」とは、身近なものをデジタルカメラやスマートフォンで動画撮影し、インターネットにアップロードする女性のことだ。中でも、自分のメイクの手法の動画をアップするのが話題になっている。
YouTubeで「メイク」という単語で検索してみると、確かに一般の日本人女性がメイクの過程を撮った動画がたくさん見つかる。多いものでは100万回近く再生されている。
メイク動画のアップに特化したサイトもある。12年3月1日にオープンした「みんなのメイク」というサイトでは会員登録すれば誰でもメイク動画の投稿ができる。化粧品メーカーとタイアップし、そのメーカーの新商品などを使ってメイクした動画が掲載されるなど、まさに「動ガール」向けのサイトだ。
有名化粧品メーカー「レブロン」も「みんなのメイク」とタイアップしている。「動ガール」がレブロンの化粧品を使ってメイクし、その使用感をレポートする動画が掲載されている。
レブロン広報によると、ブランドの看板モデルとしてハリウッド女優を起用する一方、一般女性に商品をPRしてもらうことで消費者に距離の近さを感じてもらうことが狙いだという。「動ガール」はすっぴんからフルメイクまでを見せるので、リアリティーの演出にもつながっている。もちろんそれだけが要因というわけではないが、「動ガール」を起用した商品の売り上げは好調とのことだ。
撮影から編集まで1人で担当、広告収入で生活
YouTubeや「みんなのメイク」で特に注目され、レブロンの新作発表会でもメイク動画が使われた話題の「動ガール」が佐々木あさひさんだ。12年11月14日放送のNHK「おはよう日本」の「動ガール」特集でも、佐々木さんが紹介された。
佐々木さんは4年前から、自身のすっぴんからフルメイクに至るまでの工程をYouTubeで動画配信しており、世界中で2000万回以上の再生数を誇っている。番組では自宅で蛍光灯を利用した照明を使い、メイクはもちろん撮影、編集まで1人でしている様子が放送された。
YouTubeでは自分がアップロードした動画に広告を入れることができ、再生数や広告クリック数に応じて収入が入るサービスを行っている。佐々木さんはそれを利用し、今やメイク動画の投稿で生計を立てられるほどだという。
佐々木さんは、「自分が好きなことができて、お金もいただけて、毎日楽しいことができて暮らせたらハッピー。新しいこれからの時代なのかなと思います」とコメントしていた。
11月からは、完全紹介制女子会コミュニティー「GIRLS PARTY」が「動ガール研究生」というプロジェクトをスタートしている。「みんなのメイク」とコラボし、ブランドの広告塔になれるような「動ガール」を育成するというものだ。メイク技術を学ぶほか、化粧品のプレゼント、イベント参加などの特典も予定している。「動ガール」の動きは今後ますます活発になっていきそうだ。