交流サイト「mixi」を運営するミクシィの笠原健治社長と、「Mobage」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功社長は2012年11月22日に共同会見を開き、ソーシャルゲーム事業での業務提携を発表した。
両社のゲーム開発基盤を共通化し、2013年春をめどにMobageのゲームを「mixiゲーム」のスマートフォン版で配信できるようにする。
将来のグリーとの提携「可能性いろいろある」
今回の提携について守安社長は、これまでゲームの開発基盤がmixiとMobageで異なっていた仕様を共通化することで、開発業者(デベロッパー)がゲームの制作コストや期間など負担を軽減できる点を強調。現在Mobageで出しているゲームも、そのままmixi上で遊べるようになると話す。共通化によりデベロッパーに開発の余裕が生まれれば、そのぶん新規のゲーム開発につながることが期待でき、利用者にとってのメリットにつながるというわけだ。
またDeNAにとっても「良質なゲームが増えれば事業の伸長につながる可能性が高まる」。提携する両社に加えて利用者、デベロッパーそれぞれが「ウィンウィンになる」と話した。
一方のミクシィは2012年4~9月期決算で、ソーシャルゲームやスマートフォン向けアプリといった課金収入が業績を押し上げた。DeNAとの提携に笠原社長は「ゲーム事業を収益の柱として、より伸ばしていける」と意気込む。タイトル数がおよそ2000を数えるMobageのゲームがmixiで利用できるようになれば、スマホの利用者に向けて大きなアピール材料となるだろう。
もともとmixiはコミュニケーション主体のSNS、Mobageはゲームサービスで、利用者の目的や特性は異なる。報道陣からは、Mobageで人気を集めたゲームが必ずしもmixiで支持を得られるとは限らないのではないか、と問われた。守安社長は「開発基盤共通化により、どのようなゲームが両方でヒットするかというノウハウが蓄積されていくだろう。そうすればデベロッパーへのアドバイスに生かせる」と答えた。
提携話は「もともと協業していたので、どちらからともなく話が始まった」と笠原社長。今後、DeNAと競合するグリーをはじめ他社とのゲーム開発基盤を共通化させることが考えられるかとの問いには、「可能性としてはいろいろあると思う」とにおわせたものの、「今はDeNAとの提携に注力する」と断言した。また資本提携の可能性については、
「現時点で何も決まっていない」(笠原社長)
「まずは提携。資本うんぬんは関係ない」(守安社長)
と両社長とも全面的に否定した。