九州大学法学部でAO入試「復活」 英語とセンター必須で「グローバル人材」目指す

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   九州大学が、2015年度入試から法学部でのAO入試を復活させる。

   学力試験よりも面接を重視するAO入試は、かねてから学生の入学後の基礎学力の低さが指摘されていた。しかし、今回の募集では一転して英語能力試験やセンター試験の受験が必須の形式となった。

   九大では「国際的に活躍したいという夢を持った生徒に応募して欲しい」としている。

センター科目数、東京大学の文系入試よりも多い

廃止していたAO入試を「復活」
廃止していたAO入試を「復活」

   九州大学は2012年11月22日、2015年度(平成27年度)の入試から、法学部でのAO(アドミッションオフィス)入試を「復活」させると発表した。

   AO入試といえば、「ユニークな人材の獲得」を目的として、1990年代から、全国の大学がこぞって導入した。学力試験の成績よりも、面接などで「個人」を重視する選抜が特徴だった。しかし、AO入試で入学した学生は、基礎学力が一般入試の学生と比べて低いため、学業についていけず中退してしまう問題が指摘された。そのせいか、文部科学省によると2011年度には初めて、全国の大学でAO入試の定員が減少に転じた。

   2000年に全国の国立大学に先駆けて導入した九大法学部も、面接の手間に反して、センター試験と小論文で選抜する後期試験との有意な差が認められなかったため、10年度以降、AO入試を廃止していた。

   そんななかで、一転しての「復活」だ。ただ、出願資格や選抜の方法も、小論文と面接のみだった従来とはまったく異なり「ハード」になっている。

   定員は10名。出願には高卒相当のほか、センター試験と、英語能力試験の成績の提出が求められる。英語能力試験では、TOEFL iBT61点以上、TOEIC600点以上、IELTS 5.5点以上、英検準1級以上、TOEFL(PBT)500点以上、などのいずれかを満たすことが必須となっている。高校生としてはかなり高いレベルで、TOEICを運営するETSによると、600点という数字は、「大学が就職活動生に期待するスコア」の平均。つまり、受験生は、高校3年生の段階で大学3年次修了程度の英語力を求められる。

   また、センター試験で必要とされる科目数も6教科8科目と、数だけで言えば東京大学の文系入試の一次選抜で課される6教科7科目よりも多い。

   入学者の選抜は2段階でおこなう。第1次選抜は、調査書と志望理由書に英語能力試験の成績を加味し、募集人員の3倍まで絞る。第2次選抜は福岡と東京の2か所で実施し、個別の英語学力試験と、個人面接を課す。

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