南山大でデリバティブ損失229億円 それでもなんとかやっていける理由

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金融機関を損害賠償で訴えたケースも

   大学のデリバティブ損失は、大学側が取引していた金融機関を相手どって裁判に持ち込んでいるケースもある。

   2007~08年にかけて154億円もの損失を招いた駒澤大学は、取引を勧誘したBNPパリバ証券やドイツ証券などに対して約170億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。大学側が、BNPパリバなどが金融商品取引法上の「適合性の原則」に反するとして、取引そのものが無効と主張している。12年5月に公判がはじまり、現在も係争中だ。

   大阪産業大学は、デリバティブ取引の途中解約で不当に高額な解約金を支払わされたとして、野村証券に約13億円の損害賠償を求めた。運用に失敗した損失もあるが、金融機関との契約解除にかかる手数料が法外というのだ。

   その訴訟で大阪地裁は、金商法に基づく説明義務違反と認定。野村証券に約2億5000万円の支払いを命じている。

   南山学園のケースでも12年度の61億円の損失分のうち、59億円に金融機関との契約解除にかかった手数料が含まれている。ただ、同学園は「訴訟は検討しましたが、適切ではないと判断しました」と話している。

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