電車内で痴漢行為を働いたとして強制わいせつ容疑で逮捕されたNHKの森本健成アナウンサー(47)が処分保留で釈放された。しかしその後も、さまざまな報道や噂が絶えない。
憶測だけで語られているようなものもあり、森本アナを逮捕した警視庁玉川署が取材に対し、ほとほと困り果てているというような反応を示すほどだ。真相はどうだったのか。
「証言が二転三転しているのか」冤罪疑い出す声
森本アナは2012年11月14日夜、東急田園都市線の急行電車内で女子大生(23)の下着に手を入れ、渋谷駅から二子玉川駅までの約11分間、胸を触ったとして強制わいせつ容疑で現行犯逮捕された、という。16日には東京地検に送検されたが、処分保留で釈放された。逮捕当初は「酒に酔っていて覚えていない」と否認していたが、送検された後に容疑を認め、逃亡のおそれがないとして釈放されたとみられる。
各メディアは当初「向かい合った状態で胸を触り続けた」と報じていた。しかし11月20日になって、週刊朝日が捜査関係者の話として「森本容疑者は、女性の後ろから右手を衣服の中に差し入れ、さらに下着にも手を入れて11分間にわたって胸を触るなどしたようです」、他にも「実は下半身にも手を伸ばしているんです。それもパンツの中にまで」「下半身にも手を伸ばしていたそうなんです」と報じたメディアも出ている。
これらを見たインターネットユーザーは、「『向かい合った状態』が『後ろから』という話になっている。証言が二転三転しているのか」「そこまでされて11分も黙っているのはおかしいのではないか」など、俄然「冤罪」を疑い始めた。
「11分間ずっと触り続けた」というわけではない
森本アナを逮捕した警視庁玉川署に取材したところ、「後ろから服の中に手を入れた」「下半身を触った」という話はいずれも間違いで、当初の報道の通り「向かい合って触った」「胸を触り続けた」のが事実とのことだ。強制わいせつ容疑が適用されたのは、長時間胸を触った点を「あまりに悪質」と判断したためという。また、「11分間ずっと触り続けた」というわけではなく、電車が停車した時など、周囲の人にばれそうなタイミングで触るのをやめ、また触り始める、といった「断続的」なものだったとし、被害者が11分間声を上げられなかったことは何ら疑わしいものではないということを強調した。
玉川署はさまざまな報道や憶測について、「被害者をさらに傷付けるようなものもあり、本当にかわいそう。被害者の心に沿った報道を心がけてほしい」と嘆いていた。