日本銀行の白川方明総裁は、物価上昇の目標設定など、自民党の安倍晋三総裁が唱える「大胆な金融緩和」について、「経済や財政に悪影響を与える。現実的ではない」などと否定的な考えを示した。2012年11月20日に開かれた金融政策決定会合後の記者会見で語った。
安倍氏は「政権をとったら、2~3%のインフレ(物価上昇率)目標を設定し、無制限に金融を緩和する」「建設国債は日銀に全部買ってもらう」などと発言している。
なかでも国債の買い入れについては、「国際通貨基金(IMF)が発展途上国においても中央銀行が行ってはならない項目の最上位にある。通貨発行の権限を有する中央銀行が国債引き受けやこれに類似した行為をすると、通貨発行に歯止めがきかなくなり、さまざまな障害が生じる」と指摘。国債の直接引き受けに対し明確に反対した。