(ゆいっこ花巻;増子義久)
花巻市の県立厚生病院跡地で18日、開かれた「スローフードフェスタ2012」にいわてゆいっこ花巻のドラム缶ピザが初登場した。病院跡地を活用し、地域の活性化につなげようと花巻中央地区振興協議会などが主催したフェスタで、秋野菜や農産加工品、大船渡産のサンマなどが販売され、売上金は東日本大震災の復興に役立てて貰おうという趣旨。
敷地内の「ゆいっこコーナー」にはドラム缶を改造したピザ釜と石焼き芋釜が並べられ、周囲にはプ~ンと香ばしい匂いが漂った。この日は強風に雨まじりのあいにくの天候だったが、ほっかほかのピザと石焼き芋にとっては絶好の販売日和。ドラム缶の前には寒さに震えながら焼き上がりを待つ列ができた。
昨年冬、沿岸被災地の仮設住宅を回りながら、石焼き芋を振る舞ったところ、これが大ヒット。厳冬が続いた今年1月末、幼いきょうだいが焼き立ての石焼き芋に息を吹きかけて冷まそうとしている瞬間の写真が米国の「トモダチ作戦」へのお礼として、オバマ大統領に届けられるなど話題を呼んだ。
「ドラム缶シリーズ」第2弾のピザは1枚200円の格安値段で50枚の限定販売。野菜やハム、チーズなどの具が盛りだくさんの焼き立てピザはあっという間に完売した。今後は先月ゆいっこ花巻事務所(市内一日市)内にオープンした「ゆいっこカフェ」で石焼き芋と一緒に販売するほか、沿岸被災地の仮設住宅に運行する「ゆいっこお茶っこカー」(炊き出し)にも積み込んで振る舞うことにしている。
この日のフェスタには花巻市内に避難している被災者の手作りの手芸品も並べられ、販売からピザや石焼き芋の焼き方まで被災者の人たちが担当した。山田町から避難している関なお美さん(27)は一番の若手。「さあ、これから冬本番。美味しいピザと石焼き芋をみんなに食べてもらいたい」と張り切っていた。
ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
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