国交省「公的資金の注入がなければ、運航を自力で継続できなかった」
国交省の担当者は、
「すごくドライに言うと、公的資金の注入がなければ、この会社が運航を自力で継続できなかったということで、自力で、このネットワークを張っていた訳ではないという考え方に立って、このすべての評価項目が、破綻事業者については、控除の(「ゼロ点」にする)対象になると整理した」
と説明するが、委員からは
「努力して破綻後も飛ばし続けてきた。安全・運航管理をしっかりやってきたということが全く評価されないということになってしまう。それは実際に現場で飛ばし続けてきた努力を全く無視するというのは評価の手法としては適正ではない」
「こうなってくると、公的支援や企業再生、破綻法制を利用するということが、かなり難しくなってくるのではないか」
と異論が続出。委員長が、国交省の原案に賛成する人はいないか発言を求めたが、誰からも手は上がらなかった。
つまり、この「評価半減」案は、有識者の議論を反映しない形で唐突に示されたとも言え、背景には、国交省が政権奪還を直前に控えた自民党に気を遣った、という指摘もある。JALのスピード再上場は民主党政権の「数少ない手柄」と評価する声があるため、自民党はJALへの公的支援に批判的な姿勢をとり続けている。