大阪市営地下鉄の淀屋橋駅で、自動券売機で払い戻される釣り銭の10円が100円になるというトラブルが起きた。駅員が10円硬貨を補充するはずのキャッシュボックスに100円硬貨を入れてしまったというミスがあったからだ。
このミスを気付くまで100人以上の乗客がこの券売機を使ったが、誰一人として「釣銭が多い」などと申し出る人はいなかったという発表に、ネットでは「さすが大阪人はガメツイ」などといった感想が出ている。
107人が使用し3960円分を余計に受け取った
このトラブルは2012年11月16日の22時頃から終電までに、御堂筋線淀屋橋駅の1台の券売機で起きた。営業終了後に券売機の10円硬貨収納部に100円硬貨があったため、10円硬貨を入れるボックスに駅員が誤って、100円硬貨を100枚入れたことがわかった。
この時間帯にこの券売機を使ったのは107人で、10円として出た100円は44枚あり、計3960円分の釣銭を余計に受け取ったことになる。「釣銭が多い」などと申し出た人は一人もおらず、ネコババする格好になった。市の交通局は多く受け取った人は返却するようにポスターなどで呼びかけている。
市の交通局広報に話を聞いてみると、硬貨を入れ間違えたのは過去にもあるが、10円と100円のボックス両方に100円玉を入れてしまったのは初めてだという。多く釣銭をもらった、と申し出た人がゼロだったことに関しては、
「釣銭が少なかった場合はすぐに苦情となりますが、過払いの場合はなかなか申し出てくれませんね。この一件でテレビ等の取材がありましたが、『大阪人はガメツイ』という視点で取材されていたようです」
と打ち明ける。
釣銭をネコババするのは全国共通?
ネットでは「さすが大阪人の本領発揮www」などと盛り上がる一方で、切符の釣銭はめったに確認しないし、多少多く支払われても気付かないのではないか、などといった議論がぶつかっている。
関東の自治体の交通局に話を聞いてみると、券売機の釣銭は10円と100円をそれぞれ別のボックスに入れてセットするが、10円玉より100円玉のほうが小さいため、誤って10円のボックスに100円を入れてしまうと、ボックスの10円を出す穴を通って支払われてしまうことになる。こうした10円と100円の入れ間違いは大阪に限らず、他の地域でも起こっているのだそうだ。
過払いを申し出る人についてはこう説明した。お釣りを一枚一枚確認する乗客は少ないし、仮にお釣りが多いと分かっても、それが券売機のトラブルなの何なのか分からない。駅員に問い合わせる時間が無い忙しい人もいる。
「大阪のようにゼロというのもどうかと思いますが、まぁ、釣銭が多い場合は申し出る人はめったにいない。困ったことですが、それが現状だと思います」
と交通局の担当者は話している。
ちなみに大阪の淀屋橋駅は大阪市のビジネスの中心部、中之島エリアに面し、駅周辺には日本生命や三井住友グループの本店、日本銀行大阪支店などがひしめく。大阪市役所まで徒歩2,3分ということもあり、一般市民の利用客も多い。