日本維新の会の石原慎太郎代表は2012年11月20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、「日本を沈ませずに、強くてしたたかな日本につくりなおす」などと、新党の結成目的を述べた。内政については、自治体では東京都など一部しか取り入れられていない複式簿記の重要性や、零細企業が持っている技術の保護を訴えたものの、質疑応答の多くが尖閣諸島問題に費やされた。石原氏は、「シナ」という単語を繰り返しながら、シナの覇権主義に侵された日本が『第2のチベット』になることを絶対に好みませんな」と、強硬姿勢を貫いた。また、中国とスプラトリー諸島(南沙諸島)をめぐる領土問題を抱えるフィリピンやベトナムと同盟を組むべきだとの主張を展開した。
戦争未亡人の句に「ショックを受けましたな。同じ感慨」
合流後の「維新の会」について、石原氏は、現時点では党内で様々な意見があるとしながらも、合意している内容としては(1)日本を沈ませずに、強くてしたたかな日本に作り直す(2)中央官僚の政治支配を壊す(3)日本の優秀な中小、零細企業を復活させて、それをベースに日本経済を立て直す、という3点を挙げるにとどまった。
石原氏が「暴走せざるを得なくなった」きっかけとして披露したのが、
「かくばかりみにくき国になりぬれば 捧げし人のただ惜しまる」
という句。各種資料によって微妙な言葉遣いの違いはあるが、夫を戦争で亡くした92歳女性が詠んだとされている。石原氏が
「私はこの歌でショックを受けましたな。同じ感慨」
と述べたとおり、軍事や防衛問題についての発言、とりわけ中国に関する発言が目立った。