「中国市場捨てれば、日本の老衰が早まる」 ユニクロ柳井社長、政治的発言始める

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   「中国を切ってしまえば、日本の『老衰』は早まるだけです」。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長が、これまで控えてきたという政治的発言を始めた。その意図を巡って、ネット上で論議になっている。

   中国で反日デモが暴徒化した2012年9月15日、上海にあるユニクロの店舗が「尖閣は中国領土」とする張り紙を掲げて、物議を醸した。

政府が尖閣の領土問題を認めて中国と話し合いすべき

   ユニクロはその後、現地従業員が勝手に掲げたとして、遺憾の意と再発防止を示していた。

   この騒ぎについて、柳井正社長が週刊朝日の11月23日号で口を開いた。

   そのインタビュー記事によると、柳井氏は、店が張り紙を掲げたのは、地元警察官がそうしないと店が危ないと警告したためだと強調した。しかし、記事では、この店を非難することはせず、むしろその正当性を訴えているかのようだ。そして、日本で「売国奴」などと抗議が殺到する騒ぎになったとして、「中国よりも、日本のこうした反応のほうが何か怖い」と漏らしている。

   柳井氏は、尖閣を巡る騒ぎでは、悪いのは日本政府の対応だと言いたいらしい。それは、政府が尖閣の領土問題を認めて中国と話し合いをしなかったからだという。それが無理なら、これまでのように棚上げにすべきだったともした。

   政府が何もしなかったため、日本の企業に大きな影響が出たと柳井氏は批判する。中国市場を捨てることは、グローバル企業の死を意味するからで、日本はこのまま進めば、老衰していくだけだというのだ。柳井氏は、10月4日に出した著書「現実を視よ」で、アジアに投資が集中するゴールドラッシュが起きており、その台風の目に中国があるとの見方を示している。

   柳井氏は、日本はもはや豊かではなく、このまま失政が続けば円安になり、年収は400万円から200万円に半減してしまうと記事で指摘する。それを防ぐには、経済に悪影響のある消費税アップではなく、公務員の給与を引き下げて行政を半分の費用でできるようにすべきだとした。

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