衆院解散直後に新聞各社が行った世論調査で、合流を発表した日本維新の会と太陽の党に対する評価が割れている。
読売新聞調査では比例投票先として挙げた人が大幅に減少しているが、他社の調査では、総じて高い評価だ。だが、その中でも、合流後の両党に対する評価が上がっているケースと下がっているケースがあり、状況は混沌としている。
大阪市の橋下徹市長が率いる「日本維新の会」と石原慎太郎前東京都知事が率いる「太陽の党」は、政策の違いから合流は困難だとみられていたが、2012年11月17日に両党の合流が正式に発表された。各紙はこの前後に世論調査を行い、総選挙での比例代表の投票先について聞いている。
産経調査では11月初旬から4.2ポイント下落
維新の評価について「自民に並ぶ」という表現を使ったのが毎日新聞と産経新聞だ。毎日新聞が11月17日と18日に行った調査では、比例投票先で日本維新の会13%、太陽の党4%。単純に合計すると17%で、自民党と同じ数字だ。民主党は12%だった。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が同時期に行った調査では、合流後の日本維新の会は比例投票先で、民主党の14.8%を大きく上回る22.4%を獲得。自民党の22.9%に迫る勢いだ。ただし、解散前の11月3、4日の調査では、「石原新党」と「維新の会」の合計で26.6%で、合流後に4.2ポイント下落していることが分かる。「ピークは過ぎた」との指摘も出そうだ。
「政策の不一致を顧みず、合流を最優先した判断が批判を浴びている」
維新にとってさらに厳しい結果が出ているのが、読売新聞の調査だ。維新と太陽の党に投票を考えている人の割合は、11月2日には合計で21%あったが、16日~17日の調査では13%と、3分の2の水準に下落している。内訳を見ても、維新が12%から8%、太陽の党が9%から5%と、両方が支持を失っていることがわかる。特に維新の会は、読売の比例投票先に関する調査で1桁に転落するのは初めてだ。読売記事では、この背景について
「『政策の不一致を顧みず、合流を最優先した判断が批判を浴びている』との見方も出ている」
と分析している。
朝日新聞では、「維新」「太陽」の合流が決まる前後で調査を行っている。11月15日、16日の調査では維新の会4%、太陽の党2%で、17日、18日の調査では維新の会6%、太陽の党1%。合流がどのように影響したかは定かではないが、合計した数字では微増、といったところだ。
なお、ネット上での調査結果は、まったく傾向が違っている。「ニコニコ生放送」の番組が11月17日夜に利用者に対して支持政党を聞いたところ、自民党が40.3%でトップ。「維新・太陽・みんな」を合わせた「第三極」が38.2%で、民主党は、わずか5.2%だった。