「国民の皆様にご支持いただけなければ、潔く散ればいい」
小沢氏離党の際に行動を共にし、「国民の生活が第一」から出馬するのが三宅雪子議員だ。こちらも地元、群馬を離れて国替えする。しかも新たな選挙区は、野田佳彦首相と同じ千葉4区。三宅議員は、国民の命と暮らしを脅かす一番の責任者が野田首相であり、国民の命を守るために首相と対決するのだと決意表明した。11月19日放送の「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)では三宅議員に密着、群馬の支援者の前で国替えの経緯を説明する最中、思わず声を詰まらせる場面があった。解散の数日前に小沢氏から打診されていたようで、「君は腹が据わっているから大丈夫だろう」と言われたと明かしたが、小沢氏から強制的に刺客にされたというのが真相だろう。
威勢はいいが、苦戦は必至だ。前回衆院選、野田首相は16万2000票余りを獲得して圧勝。対する三宅議員は「民主ブーム」に乗り切れず、群馬4区で自民党の福田康夫元首相に敗れ、比例で復活当選を果たしている。
前回選挙の目玉候補だった福田衣里子議員は、解散が決まった11月16日に民主党に離党届を提出し、「みどりの風」に入党した。離党に際しての思いを、自身のブログにつづっている。
政権奪取後の民主党は、「徐々に、『自公政権のころと似た政策、強いものによる目線でもって強いものの意見だけで政策決定する』ようになってきていると感じ始めました」と福田議員。しかし一方で、「それでも、民主党を簡単には諦めるわけにはいかない」との思いから小沢氏の「生活」には参加しなかった。9月の民主代表選では候補者擁立まで模索したという。それでも思いがかなわず、離党や新党を考えているさなかでの解散だったようだ。
薬害肝炎九州原告団代表として活動し、前回衆院選では長崎2区で自民の久間章生・元防衛相を破る「金星」を挙げた。今回は比例での立候補になるとみられる。ブログでは、自身が最良と考える事柄を訴えて「国民の皆様にご支持いただけなければ、潔く散ればいい」と覚悟を示している。