落としどころは容易に見通せない状況
EUを参考にしてガイドラインの策定を検討する、という点に関しても「米国にはガイドラインがないのに、初めからEUを参考にするというのには違和感がある」などの意見も出た。
そもそも国交省自身、これまで「複数の国家で構成するEUと日本とは体制が異なる」とし、EUのガイドラインをそのまま日本に取り入れることには否定的な立場だった。それにもかかわらず、ガイドライン策定の検討に動き出したのは、「政府・民主党として、自民党などの反発をかわし、ガス抜きしたいとの意向がある」(関係者)ためとされる。
ただ全日空は日航破綻前から、「国として日航を支援するなら、公正な環境を作ってほしい」と求めており、国交省はこれまでこうした議論をしてこなかったことから、今回は不十分な対応をするわけにはいかないという事情もあった。政権交代の可能性が取り沙汰されるなか、ガイドライン検討の落としどころは容易に見通せない状況だ。