インターネットで生命保険を販売する「ネット生保」の競争が激化している。誕生から4年が経ち、2011年はオリックス生命保険が「インターネット申込専用定期保険Bridge(ブリッジ)」発売。また12年9月にはアイリオ生命保険を子会社化した楽天が参入を果たした。
迎え撃つ、国内「ネット生保」の先鞭をつけたライフネット生命保険は新商品や顧客対応力で対抗する。
相次ぐ新規参入で「ネット生保」認知度アップ
インターネットで昼夜を問わず申し込みできる利便性と、従来の保険商品よりも安い保険料で注目されている「ネット生保」。ライフネット生命の出口治明社長はかねてから、「参入事業者が一定程度増えてこないと、『ネット生保』の認知度が上がらない」と話していたが、ようやく新規参入が増えてきた。
オリックス生命は2011年5月にインターネットによる保険申込みサービスを開始し、ネット専用商品「定期保険Bridge」発売。12年9月には、従来は郵送による申し込みを受け付けてきた損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ(DIY)生命保険が、「1年組み立て保険」の申し込みを24時間いつでも可能にした、インターネット保険申込サービスを開始した。
同社はこれまで、ネットで必要保障額シミュレーションや保険料試算、資料請求などのサービスを提供してきたが、保険プランの組み立てから申し込みまでをスムーズに手続きできるようにした。
そうした中で、楽天は2012年9月に同社の持分法適用関連会社のアイリオ生命を連結子会社にした。もともと楽天は07年1月から、ネット代理店の「楽天の保険」で生命保険の募集業務をネットで展開。現在では42社138商品の生命保険や損害保険を取り扱っているが、いよいよ「自前」で乗り出したというわけだ。
同社は09年4月から、アイリオ生命の保険商品の販売を開始。ネット対応型の新商品開発に取り組んでおり、11年9月には医療保険3商品を共同開発していた。
既存の生保が対面販売での面談率の低下に苦しむ一方で、情報提供や取引手法の多様化を背景に、生命保険のネットの活用は今後ますます拡大していくことが予想される。