「思い入れは深いが、もう戻らない」 スズキ、「米国撤退」の理由

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東南アジアで日本メーカーがぶつかり合う

   販売減には08年11月のGMとの提携解消も影響している。翌09年12月には1989年からGMと続けていたカナダの自動車工場での合弁生産も解消。カナダ生産からの撤退後は、日産自動車からピックアップトラックをOEM(相手先ブランドによる受託生産)供給で現地調達する以外の9割以上は、日本からの輸出が占め、折からの円高が収益を直撃し、採算が大幅に悪化した。もはや米国での販売を続ける理由はなくなりつつあった。鈴木修会長は「昔は米国で成功すれば一人前と言われた。米国への思い入れは深いが、もう戻ることはない」と語った。

   米国から撤退するスズキは、日本国内が頭打ちであるため、自然に新興国に注力することになる。2011年度の自動車販売台数(256万台)の地域別シェアで日本(23%)を唯一上回り、39%に及ぶインドがやはりその筆頭格だ。しかし、インドは昨年から労働争議が続き、一時的な生産停止にも追い込まれており、多くの日系メーカー同様、東南アジアにも目を向けている。3月に新工場稼働させたタイでは主力の小型車「スイフト」を生産、インドネシアなど隣国にも輸出し、シェアを拡大したい考えだ。

   中国で反日機運が高まって販売が落ち込む中、日系各社はこぞって東南アジアに力を入れており、競争は激しくなりそうだ。

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