位置情報も自殺予告もウソ? PC遠隔操作真犯人はどこまで警察おちょくるのか

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犯人を追い詰める材料はあるのか?

   「匿名化せず書き込みか」「犯人ミスの可能性」――。

   読売新聞は11月15日付朝刊でこんな見出しの記事を掲載した。産経新聞が同10日付朝刊で報じたのとほぼ同じ内容で、真犯人がネットの掲示板「2ちゃんねる」に遠隔操作ウイルスを仕込んだアドレスを書き込む際、1度だけ「Tor」を使わなかったというのだ。

   読売はこの取材情報と、真犯人の自殺予告メールに記された「ミスをしました。私の負けです」を結びつけて記事を構成しているが、果たして真犯人に結びつく有力な手がかりといえるのだろうか。

   「私が聞いている情報では、ウイルスを仕込んだアドレスを書き込んだ際のipアドレスを『2ちゃんねる』はまだ警察に開示してないと聞いています」と話すのは情報セキュリティー会社「ラック」の西本逸郎専務理事だ。

   西本さんは、パソコンに関して相当な知識を有する犯人が「匿名化せずに2ちゃんねるに書き込んだ」という記事への疑問を呈した上でこう話した。

「産経新聞では、2ちゃんねるではtorを使った書き込みが認められていないため、犯人は『代行掲示板』とtorを使ってウイルスを流し、1回だけ『代行掲示板』を経由していなかったと書いています」
「ですが、技術的に言えば2ちゃんねるにはTorで書き込めるケースも実際あるのです。不可能ではない。それを犯人が知らなかったとは思えないのです」

   自殺予告がウソであるなら、真犯人の「ミスをしました。私の負けです」という文面も警察をからかっているのだろうか。

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