先輩格の「うどん県」は知名度アップに貢献
温泉施設数が全国トップで、熱海や伊東といった有名な温泉を抱える静岡県も、困惑の様子だ。同県観光振興課に聞くと、担当者は「昨日(11月13日)知ったばかりで、状況をつかみきれていません」と話す。一方で、「もし、温泉の魅力を伝えるフレーズが使えなくなるようでは困ります」と打ち明けた。
こうした他県の反応に、大分県は「(おんせん県を)独占するつもりは全くありません」(観光・地域振興課)と強調する。登録申請が通るかどうかは「5か月ほどかかる」そうだが、仮に認められなかったとしても「これまで通り『おんせん県』としてアピールを続けていくことに変わりはなく、あまり大きな問題とはとらえていません」。
申請許可が下りた場合も、むしろ他県で積極的に「おんせん県」を利用して観光促進につなげてほしいとする。ただ事前の説明不足があった点は感じているようで、近日中に経緯を詳しく説明した文書を大分県や「ツーリズムおおいた」のウェブサイトに公開する予定だと話した。
観光キャッチフレーズの「先輩格」にあたる香川県は、2011年に「うどん県」を名乗り話題を集めた。この年は東日本大震災の影響に加え、高速道路の無料化や「休日通行1000円」の終了で観光産業には逆風だったが、同県観光振興課は「民間の都道府県認知度調査で、前年の30位から23位に上昇しました」とその効果を強調する。「おんせん県」の場合はどうなるのか。