「段ボール箱を頭にかぶり、砂のなかに隠れていた」
移住後は、現地のドラッグ犯罪組織との関わりもたびたび指摘された。本人もロシアのドラッグ掲示板に200件以上の書き込みをしていて、バスソルト(新型のLSD)中毒だったという話もある。
2012年5月には、ベリーズ警察のギャング対策部隊が、自宅に強行突入し、銃器不法所持とドラッグ製造で、容疑者と関係者を逮捕したこともあった。
そして今回もギャング対策部隊から、指名手配が発表された。米メディアWIRED(ワイアード)などの報道では、フォール氏殺害は、容疑者の犬をめぐるトラブルが原因との見方が強い。2人のあいだに争いがあったという現地住民の証言も伝えられた。
容疑者がサン・ペドロ市の自宅で飼っていた6頭の犬は、フォール氏や近隣住民からよく吠え掛かると苦情が出ていた。市長に対して、正式な訴えもあったという。
渦中のマカフィー容疑者は現在、行方不明とされている。だが、指名手配後に、ワイアードの電話取材に応じていた。記者に対し、警察が自宅の捜査に入った際には、庭で「呼吸ができるように段ボール箱を頭にかぶり、砂のなかに隠れていた」と明かした。捕まると殺されると思っているため、居場所は4時間おきにかえているそうだ。
ただ、容疑については「何も知らない」と無罪を主張した。また、「ベリーズ警察は自分を嫌っているため国から追い出そうとしている」と主張、「犬たちは9日夜にすべて毒殺された」「(真犯人はフォール氏を)私と間違えたのではないかと思う」などと話していた。
ベリーズ警察当局は現在も行方を捜索中だ。