石原慎太郎前東京都知事が2012年11月13日、「たちあがれ日本」の衆参国会議員5人とともに新党「太陽の党」を結成した。
新党名の由来については石原氏の57年前の芥川賞受賞作「太陽の季節」との説が有力だが、大阪万博のシンボル「太陽の塔」や羽田孜元首相らがかつて設立した「太陽党」をも想起させ、ネット上には「これってギャグ」「冗談としては秀逸だけど」いった意見も寄せられた。
「太陽の塔」の元ネタは「太陽の季節」
石原新党の名称が「太陽の党」にほぼ決定というニュースが流れた11月12日から、ツイッターやネット上の掲示板には新党名をめぐるツイートや書き込みが相次いだ。
最も多かったのは、1970年に大阪府吹田市で開催された日本万国博覧会のシンボルタワー「太陽の塔」と同音であることから、
「(石原新党は)大阪万博かよ?」「何げに大阪維新の会に気を使ってるな」
など。
また太陽の塔は芸術家・岡本太郎氏が製作したことから、
「政治は爆発だ!」「(石原新党は)岡本太郎氏の作品名を使うんだから謝れ」
といった書き込みも多かった。
ただ、「岡本太郎に謝れ」という書き込みには誤解がある。一部で有名な話ではあるが、太陽の塔というネーミングの元ネタは実は石原氏の「太陽の季節」なのだ。
太陽の塔は上半分が大屋根から突き出す形で建てられ、その姿を見たSF作家の小松左京氏は「太陽の季節」の有名なシーンを連想。それを聞いた岡本氏が自らの作品に「太陽の塔」と名づけた逸話があり、ネット上には前述の誤解をただすような書き込みもみられた。
太陽の党に絡んで次に多かったツイートや書き込みはやはり石原氏の代表作「太陽の季節」に関するもの。
「障子を突き破ったように官僚政治を突き破れということだろうか」
というコメントも。
合わせて実弟の裕次郎さん主演のテレビドラマ「太陽にほえろ!」に触れたものもあった。
「太陽の季節、太陽にほえろ!、慎太郎さんの太の字も入っていて『太陽の党』はなかなかうまいネーミング」
「太陽の季節や太陽にほえろ!は有名だから、マーケティング的にも優れたネーミング」
といった賛成意見も少なくなかった。
橋下市長「石原さんらしい新党名」
総選挙を前に第3極の結集に向けて、太陽の党が連携を図る日本維新の会の橋下徹・大阪市長は、石原新党のネーミングについて
「(太陽の党は)実に石原さんらしい名前。(石原さんの党だと)すぐ分かる」
と高く評価した。
当の石原氏は13日午後5時からの新党結成会見の場で、そっけなく
「『太陽の党』は園田博之幹事長の発案」「別に私の『太陽の季節』からじゃない」
と語ったものの、太陽の党関係者は「石原氏のイメージに合ったネーミングとなると、『太陽』は欠かせない」と由来を明かす。
石原氏は会見で「ライジング・サン」という言葉も使い「日本はしたたかになって、強くなって、よみがえらなければ」と訴えた。