都知事選や次期衆院選への出馬が取りざたされている東国原英夫・前宮崎県知事の周辺の動きが活発化してきた。東国原氏はいずれの選挙の出馬についても「予定も計画もない」と繰り返しているが、大阪市の橋下徹市長が率いる「日本維新の会」は次期衆院選に東国原氏を擁立する方針だ。東国原氏が都知事選出馬を見送る方針だという報道もあり、橋下氏は「一緒にできるのではあれば、非常に心強い」と期待感を隠さない。
「そうですねー。『しかるべき時』というのが、やっぱり来るでしょうね」
東国原氏は11年の都知事選では石原慎太郎前都知事に次ぐ約169万票を獲得し、仮に出馬した場合は、石原氏が後継指名した猪瀬直樹副知事とともに、有力候補になるとみられている。
だが、東国原氏は事実上「ダンマリ」を決め込んでおり、11月9日にも、出馬決断の時期について聞かれ、
「まぁー。どうなんでしょうかねー。現時点では都知事選、衆院選に出る予定も計画もありませんが、そうですねー。『しかるべき時』というのが、やっぱり来るでしょうね」
と述べるにとどまっていた。
だが、11月12日になって、事態は一歩前進したようだ。読売新聞が11月13日朝刊で報じたところによると、維新の会は東国原氏を公認候補として擁立する方針で、
「東国原氏側もすでに維新幹部に対し、都知事選出馬を見送る方針を伝えたという」
と報じている。また、東国原氏は維新側から出馬要請があったことを認めた上で、
「今のところは未定。衆院選と都知事選のどちらも可能性がある」
と述べたという。
たが、東国原氏は慎重姿勢を続けている。11月13日午前には、ツイッターで読売新聞の女性記者から取材を受けたことを明かした上で、
「色々聞かれたが、こちらの返答は『あらゆる可能性は排除しないが、現段階で都知事選や衆議院選に出る予定も計画も無い』とこれまでと同じ対応をさせて頂いた」
「読売新聞の記事がどうなっていようと、現状はそう言うことであります」
とクギをさした。
橋下氏「一緒にやっていただけるのであれば、これほど心強いことはない」
維新側は、擁立にかなり前向きなようだ。橋下氏は11月13日朝の囲み取材で、読売新聞の報道について確認を求められ、
「僕は、まだ聞いていません。色々な選択肢で、色々なことを考えているとは聞いていますけれども、これにした、これでいく、ということは何も聞いていません」
と、事実関係について否定も肯定もしなかったものの、東国原氏の発信力の高さや「選挙では目玉になり得る」といった点に話が及ぶと、
「そうですね、一緒にやっていただけるのであれば、これほど心強いことはないけれども、ただ、色んな選択肢も考えられているようですから、僕が今発言することで、そのことに色々影響してもいけませんので、あまり強くは言えないところ。ただ、一緒にできるのではあれば、非常に心強いですね」
と、「心強い」という言葉を2度繰り返し、期待感を示した。