次期総選挙でTPP賛成を看板に掲げる「純化路線」
だが、このまま選挙に突入すると民主党の惨敗は確実で、党内では反対論が根強い。例えば輿石幹事長は、11月9日に、
「今、解散したら(現有勢力245人のうち)50~60人しか残らない」
と、解散には否定的な立場を示している。さらに、民主党内はTPP反対派の議員もおり、解散に踏み切る前に大量に離党者が出て党が空中分解する可能性も指摘されている。それでも、野田首相は解散に突き進む理由があるようだ。
その背景を、小沢鋭仁元環境相は、11月12日昼のTBS「ひるおび!」の中で、
「総理は元々TPPは推進ですから、ある意味で言うと、これを堂々と訴えることによって、そういう意味では『純化路線』ですよね」
と解説。TPP反対派が大量離党した方が、総選挙でTPP賛成の旗印を掲げることができ、逆に戦いやすくなるとみているようだ。また、TPP反対議員は総選挙で当選する見込みが薄い人が多く、離党したところで「実害」は少ない、という見方も出ている。
また、小沢氏は、TPP交渉参加表明後の離党者数について、
「(過半数割れになる)6は軽く超えるでしょうね」
と指摘している。