2012年11月11日に福島市で開催された東日本女子駅伝で、コースをショートカットしたランナーが出た山形県が失格になった。
ショートカットといっても、折り返し点を示すポールの後ろではなく前を通っただけ。ネットでは「進路が分かりにくかった」「運営の怠慢が招いたミスだ」などと運営サイドへの批判と、山形県チームへの同情が広がっている。
ポールの前を通るか後ろかの僅かな距離だった
今回で28回を迎える伝統ある駅伝大会で、17都道県と、特別編成の東日本大震災の復興を願う「チーム絆」の計18チームが参加したが、問題のシーンはスタートから1時間10分過ぎに起きた。神奈川県チームを先頭に折り返し点を回り、すぐ近くにある第5中継所で次の走者にたすきが渡された。先頭から遅れること2分30秒、12番手の山形の走者が現れた。前には誰も走っておらず、折り返し点を示すポールの前を通過し、次の選手にたすきを渡すと、差し出された大きなタオルに倒れこんだ。
ポールの前を通ったとき、沿道で応援していた観客が一斉に驚いた顔になり、たすきを受けるため待っていた山形の選手も不思議そうな表情を浮かべていた。このショートカットによって山形のチームは失格となった。
ネットでは、ショートカットの違反をしたといっても、ポールの前と後ろという僅かな距離である上、そもそもは折り返す場所が分かりにくく、選手を正しく誘導しない怠慢があったのではないか、などと運営サイドに対する批判が続出し「山形の選手がかわいそうだ」との大合唱になった。
山形チームに42秒遅れの北海道チームが15番手で折り返し、この選手もポールの前を通過しかけた。沿道から注意が飛んだためポールの後ろを無事に回ることが出来た。こうした実態を考慮したのか、大会関係者が折り返し点を示すポールの前にあるパイロン(円錐形の柱)の位置を変更した。