ここ数年、市場の拡大が続く
景気低迷などで新規の住宅着工が伸び悩む中、住宅リフォーム市場はここ数年、拡大し続けている。国土交通省の「建設投資見通し」によると、2012年度の建築物リフォーム・リニューアル投資は計8兆6800億円に上る見通しでで、3年前の2009年度比では12%増と伸びており、建築物投資全体の28.9%を占める。このうち、戸建て住宅やマンションなど住宅のリフォームは約4割の3兆2500億円に上る。
住設メーカー大手が新宿で激戦に臨むのは、そんな住宅リフォーム市場の活況を受けた戦略の一環だ。ショールームは住設メーカーが直接、顧客である消費者と接触できる貴重な場といえる。自社の設備を着実に購入してもらうには効果的な場であり、顧客の囲い込みには欠かせない。TOTOの張本邦雄社長はショールームのオープンに先立って開いた記者会見で、「10年間の3社のアライアンスの成果を具現化した」と力を込め、市場争奪に強い意欲を示した。新たな市場の覇者を目指し、新宿での戦いは熱くなる一方だ。