読売は隠蔽を否定、「経過や金額などに誤りがある」
読売新聞グループ本社広報部では、恐喝との報道を否定し、「怪我の程度を偽って不当に治療費を支払わせた事案と確認した」とコメントした。加害者の記者に対しては、通常の手続き通りに厳正に処分しており、社内への伝達も必要に応じて行ったとして、「口止めも隠蔽もしていない」と言っている。
また、ハメ撮り映像については、「一切把握していません」と答えた。そのうえで、週刊新潮の記事について、「コメントとして引用された部分も含め、事案の経過や金額などにいくつもの誤りがあります」としている。
紙面に誤報も出ていることについては、反省して専門知識を高め、再発防止に努めるとしながらも、「記者の質そのものが劣化しているとは思っていません」と主張した。
しかし、マスコミのある元運動部記者は、最近はますます記者の質が落ちていることを実感すると話す。
「iPSの誤報では、もともと『札付き研究者』だったことが知られていたが、裏を取らずに書いたもので、信じられませんね。そんなことは、記者のイロハのイでしょう。尼崎の顔写真は、違うと言った人もいたというのに、それを使うなんてありえないですよ。スポーツでも、ネタを集める努力をしないで、みな同じことを書いています」
質が落ちた背景については、こう言う。
「他社とつるんで、競争心を失っているからですよ。抜かれると怒られるので、1人が抜け駆けすると村八分にします。こうした傾向は、20年ぐらい前から続いており、その世代がデスクになって、速報第一で検証しない体質になっています。また、最近の若い記者たちは、ネットを見て仕事を済ませ、直接確認しようとしない傾向もあるようです。スポーツ取材では、自らスポーツした経験も少ないようなので、質問の仕方も知らず記事に奥深さもありませんね」
朝日や読売が刑事告訴せず、外部に公表もしなかったことには疑問を呈す。
「みっともないから、外に出せないのでしょう。しかし、取材対象には、告訴しろ、発表しろとあおるのですから、それはおかしいですよね」