日立の英国原発企業買収 ライバルの中国企業が手を引いた理由

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欧米の原発運営会社と提携して進める方針

   日立としては、原発建設受注をほぼ決めていたリトアニアで10月の国民投票の結果、原発建設反対が過半を占めるなど海外展開に暗雲が垂れ込めていただけに願ってもない展開だ。ただ、問題は初めての海外進出で原発運営まで踏み込むこと。日本国内なら東京電力や関西電力などが国と一体となって運営してくれたが、原発停止で燃料費がかさみ赤字に苦しむ今の東電や関電に海外に雄飛する余裕はない。

   日立は実績のある欧米の原発運営会社と提携して英国事業を進める方針だ。ホライズン株についても運営・建設事業の提携先などに順次売却し、将来的に出資比率を50%未満に抑え、リスクを減らしたい考えだ。10月30日の買収発表会見でも羽生正治執行役常務は「日立1社では難しい」と述べた。ただ、欧州は金融危機が続く一方、米国は安価な火力発電燃料が大量採掘できる「シェールガス革命」が進行中で原発ビジネスに及び腰のため、日立の思惑通りに提携企業が現れるかどうかは不透明だ。

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