財政難が続く神奈川県で、県立図書館の閲覧と貸し出しのサービスが廃止される可能性が出てきた。施設や補助金の見直しを柱とする緊急財政対策の一環だ。
都道府県立図書館を住民が直接利用できなくなるのは異例だが、県では、県内市町村の図書館の数も増えていることから「(県立図書館の)役割を振り返る時期にきている」と話している。
2館で蔵書は約104万冊、年間利用者約43万人
廃止の方針は、県の教育委員会が2012年11月7日の県議会決算特別委員会で明らかにした。まだ時期など具体的なことは不透明だ。
県立図書館は横浜市西区と川崎市川崎区にあり、横浜市にある図書館は1954年、川崎図書館は58年に会館。2館合わせた蔵書は約104万冊で、年間約43万人が利用している。
そのうち川崎図書館は川崎市の土地に立地しており、その借用期限が2017年度末。建物も老朽化していることから同図書館は廃止し、機能を横浜市の県立図書館に一本化する。
都立図書館や国会図書館などで、貸し出しをしていないところはあるが、閲覧もやらないというのは異例のようだ。