加害生徒「親友になろうぜ」「うそー」
2学期のはじまった9月には、いじめはクラスを中核として同学年全体へと広がっていた。これは、事後アンケートの回答からも伺える。同学年の生徒190名のうち約半数にあたる98人が悪質ないじめの存在を知っていたとし、また、32人が自分が加害者であるとこたえた。
被害生徒は他クラスの男子生徒から追いかけられて転ばされたり、蹴られたりするようになった。クラス内での暴力は減ったというが、ある男子からは柔道技を掛けられるなどしていた。清掃中に机をじかに触れないようにモップに引っ掛けて運ばれる、ノートがなくなるなどのいやがらせも止まず、「ばかじゃん」といった言葉の暴力はむしろ増えたという証言もある。
極めつけと思われるのは9月25日のできごとだ。被害生徒によく暴力を加えていたある男子生徒が、からかうつもりで「大親友になろうぜ」と声をかけた。被害生徒が「別に良いけど、あ、そう」と了承したので、「うそー」と言った。すると被害生徒は、「何だよ」といって走っていってしまったという。
その翌日の26日夜、被害生徒は自宅で空手帯で首をつり、自殺した。その日にも、数名に囲まれて蹴られるなどの暴行を受ける姿が目撃されていた。
被害生徒が7月の生徒アンケートに「困ったことがある」などといじめをにおわす回答をしていたことから、区教育委員会は自殺翌日の27日に緊急調査対策委員会を設置。
いじめの実態や自殺との関連について、1年生にアンケートや面談といった調査をおこなっていた。