加害者32人、「きもい」「うざい」「死ね」 品川中1男子「いじめ自殺」壮絶報告書

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   品川区の区立中学1年の男子生徒(12)が2012年9月26日に自殺した問題を巡り、「一連のいじめは生徒を追い詰め『自殺の誘因』となったと判断せざるを得ない」とする調査報告書を11月5日、区教委が区議会に提出した。

   報告書によると、被害生徒に対して、クラスのほぼ全員が「うざい」「きもい」といった言葉をかけるなど精神的ないじめに関わっていたほか、他クラスの生徒もいじめに加わっていた。

   なかでも中心となった男子生徒数人は、被害生徒が自殺する当日まで殴る蹴るといった暴力を振るっていた。

10人くらいの男子生徒から蹴られる

   報告書は事後におこなわれた教員や生徒への聞き取り調査などから、事実関係を調べたものだ。

「一連のいじめは生徒を追い詰め『自殺の誘因』となったと判断せざるを得ない」とする調査報告書
「一連のいじめは生徒を追い詰め『自殺の誘因』となったと判断せざるを得ない」とする調査報告書

   それによると、いじめを受け自殺した男子生徒(以下、被害生徒)は4月の中学校入学当初から、「きもい」「避けたほうがいい」などと小学校の同級生らに吹聴され、いじめのターゲットとして目を付けられていた。

   当初は「からかい」程度だったが、4月下旬から6月にかけて、被害生徒が筆箱に入れていた赤ペン、ボールペン、シャープペン、ホッチキスがなくなったり壊されたりした。所属する部活ではボールをぶつけられることが始まった。

   被害生徒をいじめる風潮がクラスに蔓延したのは、5月から6月にかけてだ。男女合わせて28人の生徒が「きもい」「うざい」「死ね」といった暴言を吐いたことを事後に認めた。こういった「言葉の暴力」や「ばい菌あつかい」にクラスのほとんどの生徒が関わっていた。

   具体的には、被害生徒に触れたときに汚いものに触れてしまったようなそぶりを見せる、「被害生徒が使った水道は使わないほうがよい」と言う、被害生徒と話すことを異常なことのように扱う、給食中に机を離すなどの行為があった。同時期に、被害生徒は濡れた靴下をなげつけられたり、上履きが女子トイレに投げ入れられたりといったいじめも受けていた。

   また、暴力行為もクラスの6人の男子生徒を中心としておこなわれるようになった。すれ違いざまに殴る、くるぶしを蹴る、腹を殴る、かかと落としをする、転ばせるといった内容だ。被害生徒の保護者によれば、男子生徒の一人に家の裏までつけられ「学校で殺すぞ」と脅迫まがいのこともされていたという。かかわりがあるかは不明だが、所属していた部活では、ボールが顔面にぶつかって青あざができたり、手首を捻挫したりといった怪我も負っていた。

   7月には10人くらいの男子生徒から蹴られる事態にまで発展し、教員が指導したこともあった。

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